原田そよ後援会

赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑調査特別委員会中間報告

■これまでの経過

 2010年1月18日、赤磐市の井上市長は現職市議会議員所有の土地2ヵ所を必要がないのに公共用地に購入したとして、前副市長、前吉井支所長を背任の疑いで赤磐署に告訴した。さらに吉井支所産業建設課長、同課主幹を虚偽公文書作成の疑いで告訴した。また課長ら2人と決裁書類を点検した当時の担当部課長ら4人を減給10分の1(2〜3ケ月)の処分とした。

 市の説明では、2007年市議が所有する周匝地区の宅地109平米を交差点改良の目的で約458万円で購入。2008年には同市議から是里地区の畑5164平米を残土置き場として250万円で購入した。いずれも前支所長が購入を専決決裁していた。

 しかし、道路改良に地元からの要望はなく、畑も進入路がないなどで、2ヵ所とも未利用状態。 赤磐市議会はこれを受け、2010年1月20日に臨時議会を開催。「赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑」の調査に関する動議を12人の議員が提出。採決の結果賛成多数で可決。地方自治法100条に基づく調査特別委員会が設置された。

 ここに掲載する資料は、100条委員会の中間報告全文である。

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2010年5月 原田素代

赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑調査特別委員会の中間報告

去る平成22年1月20日開会の議会臨時会において、地方自治法第100条の規定により設置された、赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑調査特別委員会に付託されました調査案件について、現在までの審査状況についての中間報告をいたします。

まず、平成22年1月20日に第1回目の特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行いました。

次に、平成22年1月26日に第2回目の特別委員会を開催し、「今後の委員会の進め方について」を議題とし、今後の委員会運営に関する協議を行い、(1)委員会の進め方について、(2)マスコミ等への対応について、(3)議長への報告について、(4)調査期間について、(5)人権への配慮について、(6)議員個人の発行物への掲載について、(7)傍聴への対応について、の7点について申し合わせを行いました。

次に、平成22年2月4日に第3回目の特別委員会を開催し、問題となっている吉井地域内の土地2ヵ所及び他の残土置き場2ヵ所について現地査察を行いました。その後、「赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑の概要について」を議題とし、審査を行いました。

まず、市長から概要説明及び告訴に至った経緯について、次のとおり説明がありました。元副市長が、現職市議会議員の所有する土地を市として購入する必要がないにもかかわらず、元吉井支所長、産業建設課長、産業建設課主幹に指示をして購入をしたという事である。

土地については、平成19年に周匝地内の3角形の土地約109.23m2を458万7,660円で、また、平成20年に足里地内の畑5,164m2を250万円で市が購入した。

元副市長については指示をして購入手続きを進めさせており、また、決裁権限があった元支所長については、赤磐市に損害を与えたので2人を背任行為、そして、謀長と主幹についてはこの2件の土地を買うための起案者になっているため、虚偽の公文書作成に当たると判断して告訴した。

告訴に至った経緯は、以下の通りである。平成21年10月6日に開催された産業建設常任委員会において、委員会開催中であったのか休憩中であったのか明らかでないが、市議会議員から民地に接地されている側溝の用地を市が買い取るようにという発言があった。市長は、話の内容が十分理解できなかったため、委員会終了後に職員に説明を求めたところ、市議会議員所有の土地(側溝のある上地)については、市議会議員の所有地ではなく借地であった平成16年頃に、無償使用承諾を得て側溝を入れており、その部分を分筆して買収するようにという話であった。

その関連で本日視察した三角地とリゾートの隣の畑を買い取っている案件があるということが分かった。

1件目の周匝地内の土地については交差点改良という事で市が購入している。これについては交差点改良の計画図面はあるが、改良の詳細な計画等について具体的なものはない。また、周匝区内の事については通常は区長が要望するので、地元区長に問い合わせたところ、そのような話はしていないし、市が取得している事も知らなかったという事であった。途中で予算の補正をして土地を買っているのは緊急性があるという事で、交差点改良工事はすぐにでもやろうと思えばできる範囲内だと思うが、その後工事の予定もなく放置されてきている。交差点改良の要望もなく工事の予定もなかったという事で、不必要な土地購入と判断した。

2件目の是里地内の残土置き場については、斜面の畑である。ここに残土を置こうと思えば、それなりの多額の工事費をかけて雍壁等を作らなければならない。また、当時残土置き場は2ヵ所あり、大きい残土置き場については黒本是里線が完了した現在も19万・が入る状況で非常に余裕がある。当時の時点で新たに残土置き場を購入する必要もなく、また、残土置き場を購入するとすれば、もっと適切な土地を購入すれば良く、この土地についても市にとって購入の必要がないと判断した。

また、この土地に関わる起案者に事情聴取も行い、いずれも緊急性や、どうしてもその土地を公共用地として購入する必要があったのかどうかと確認したが、必要はないとの回答であった。そして、当時の副市長からの指示によって起案したという証言を得た。以上のことから、この起案者が虚偽の公文書を作成したという事と、副市長、また決裁をした支所長については市に対する背任行為の疑いが明らかとなった。

ただ、我々には捜査権限もなく、色々な面で総務部長等が聞き取り調査をしたが、我々には限界があるので捜査機関に調査をお願いしたいという事で、赤磐警察署に告訴したという事である。

委員より、新聞記事には「同市周匝の土地は2007年(平成19年)12月の補正予算に計上したものの議会側に明確な説明をせず」とあるが、これは補正予算が可決されていると理解すればよいのか、との質疑に、執行部は、土地を購入したのは7月である。たぶんその前から購入の話はあったかと思うが、購入したあとに予算が不足し、12月補正予算の説明書の中に入っていた。通常は事業をスタートする時に議会へ説明をし、当初予算で組めていなければ6月補正で組んで7月に購入するか、また9月補正という事もあっただろうと思う。要は、予算がないのに議会へ説明なしで購入した事実は間違いない。また、もう1件の土地については、予算書等にも載っていない事を確認している。購入するという委員会等への説明も一切していないと思う、との答弁。

委員より、補正金額は、458万円の一部が入っていたという事か、との質疑に、執行部は、458万円全額が補正予算に載っていた、との答弁。委員より、支払いはその12月補正が通ったあとに行われたのか、との質疑に、執行部は、また委員会から要請があれば書類等は提出するが、これについては三者契約で取得している。今回は概要説明なので、また必要な書類については言ってもらい、その中で出せる書類については出す。警察の捜査も入っており一部提出が難しい書類もあろうかとは思うが、そういうものについては内容の説明書を出すような形で、直接の生の書類ではなく、事実関係を記載した書類か何かで委員会に提出するようにはしていきたい、との答弁。

なお、当委員会の審査に必要な予算の概算について協議した結果、22年度は600万円以内とする事とし、これについては議会3月定例会において議員発議する事となりました。

次に、平成22年2月23日に第4回目の特別委員会を開催し、「周匝地内及び是里地内の上地の内容について」を議題とし、審査を行いました。

まず、執行部から今回の委員会提出資料(経過、図面、登記簿謄本等)について、詳細な説明がありました。

委員より、前回委員会で、警察へ提出している書類のコピーができるかどうかの確認を要望していたがどうなったか。市長の説明では、書類の原本が出せないようであれば、書面にしてその説明をするという事だったが、との質疑に、執行部は、警察に対し、百条調査で要求があった場合の確認をしたところ、捜査は捜査でやっており、百条委員会は警察の範疇ではないので、市で判断してもらいたいとの事であった。正本が警察へ行っているが、市へ資料そのものはあり、わかる範囲で答えていきたい、との答弁。

委員より、基本的には、法的な問題や警察の捜査上の支障にならない限りは公開してもらうのが一番わかりやすい判断ではないか。捜査に支障が来るのであれば警察からストップがかかるわけであり、また、個人情報の場合であれば非公開にすればいいことである。出せるものは出すというのがどこの判断でされるかについては、わかりやすい統一の見解を持ったほうがいいと思う、との意見。

委員より、この委員会がどこまでこの問題について事実関係をはっきりするかという取り組みの姿勢にかかわってくると思う。必要な書類を出してもらわなければ、はっきりした事実関係というのは出てこないが、捜査中だからコメントできない、資料も出せないという事はわかっていた話で、それを乗り越えてあえて百条委員会をつくって事実関係をはっきりしようということになった以上、執行部も出すべき資料は出してもらわなければ、事実関係というものはわからない、との意見。

委員より、市が警察へ提出している書類の一覧表があるはずである。警察も受け歌れば受歌書があるはずである。警察の受取書までは要らないが、市から提出している一覧表は見せてもらいたい、との意見。

委員より、代替地との距離はどのくらい離れているのか、との質疑に、執行部は、直線で約500mである、との答弁。

委員より、代替地という事は等価での交換だろうと思うが、三者契約の中身はどういう形になっているのか、もう少し具体的に説明をして欲しい。代替地との交換について、経緯について教えて欲しい。また、評価額は、正当な評価額であるのかどうか、との質疑に、執行部は、三者契約は、事業用地提供者、代替地提供者および赤磐市という事であるが、経緯についてはわからない。通常、事業をするときに代替地を希望される方については、自分で探す場合もあるし、行政や不動産がかかおる場合もある。交換については等価の場合もあるし、違う場合はその差額分をどちらかが払う場合もある。条件がいいか悪いかという点についても、契約の段階で点数をつける等で評価するため、当時かかわった者でないとわからない。評価額については、不動産鑑定士等が入り前面道路の状況やその場所、土地の形状等を見た上で判断をして評価額を決めているので、場所によって多少違いはあると思う。なお、全軍の評価はできないため、基準点等を設けて評価をし、それぞれの土地へ評価額をおろしていく。金額的に高いか安いかというのをどう判断されるかは別にして、評価に当たっては不動産鑑定士等の評価により評価額を決めている、との答弁。 委員より、経緯や交換の事については誰がわかるのか、との質疑に、執行部は、支所で事務を行っているので、支所にしかわからないが、支所長と担当課長は異動したばかりであり、警察へ書類が提出されているのでいきさつのわかるものが一切残っていない。当時の担当者しかわからないと思う、との答弁。

委員より、代替地の評価額が約986万円であるが、市はこれを幾らで買ったのか、との質疑に、執行部は、450万9,000円である、との答弁。

委員より、代替地以外の用地は評価額約1万5,000円の土地を1・当たり4万2,000円で売っている。代替地は、評価額約1,000万円の土地を1・当たり5,400円で買っている事となるが、問題ないのか、との質疑に、執行部は、通常、不動産鑑定士を入れて評価するのが今は主流であるが、県の標準地から比準して評価する方法もある。どちらの方法を使ったかについては、支所の担当者に問かなければわからない、との答弁。

委員より、不動産鑑定士を入れて評価したかはわからないとの事だが、もしかすればあるかも知れないということか。それも確認できてないのか、との質疑に、執行部は、今回の場合は、恐らく標準地が近くにあるということから、比準をしたと思う。そういう書類が回ったのを記憶している。ただ、その書類については不備があるということから、差し戻した覚えがある、との答弁。

委員より、どういう不備があったのか、再度確認をしたい、との質疑に、執行部は、通常事業を行う場合は、地元要望が優先する。また、安全のために緊急的に道路等を改修する場合がある。また、市の施策で大型事業を行う場合もある。今回の場合は、地元要望と安全性ということであるが、他の地区でも要望を出しても2年、3年できないことが多々あり、何年から要望が続いていたのかという事をチェックする必要がある。当然事業をするということになれば、それを受けて箇所決定をし予算を要求する事になるので、どのくらい急ぐのか、また、他所よりも急ぐのかという事で、要望書があるなら要望書、計画平面図があるなら計画平面図をつけるよう指示した覚えがある、との答弁。

委員より、そういう覚えがあるという事だが、その後きちんと整備された書類が届いているのかどうかも確認されてないようである。今聞く限りでは、全部当時の担当者しかわからないという答弁なので、もうなるべく早い時期に参考人という形ででも、当時の担当者に説明に来てもらいたい。また、前回市長の答弁では、地元要望もなかったという事でこういう事件になってるので、地元の区長にも来てもらい、きちんと説明してもらいたい、との意見。

委員より、話をしていく中でわかったが、市長が話していた側溝というのはこの代替地の853番の土地であったということか、との質疑に、執行部は、そのとおりである、との答弁。

委員より、アンテナ用地は元の所有者に残したということか、との質疑に、執行部は、そのとおりであり、平成15年に地元市議に所有権移転されている、との答弁。

委員より、736番の土地については平成19年8月21日に赤磐市へ登記しているのに、853番の土地は平成20年2月25目になっている。なぜこんなタイムラグがあるのか、との質疑に、執行部は、普通はないのでこちらも驚いている。こういった事については知らなかったし、資料もないのでわからない。どうしてこうなったかという理由についてもわからない、との答弁。

委員より、19年度の当初予算とそれに関連する場所の予算書と内訳。また、補正されているのならば補正予算の予算書を出してもらい、説明をしてもらいたい、との質疑に、執行部は、当初予算では1,230万円を予定をしていた。 12月の補正要求については吉井支所から498万901円が出てきた。内訳としては、この件は市道周匝片鉄線というものであり、単数が3で、金額が458万7,660円となっており、当初にはなかったものである、との答弁。

委員より、今回の上地の売買は、19年7月24日に三者契約をして、翌月の8月21日に赤磐市へ登記が済んでいるが、お金の支払いはいつだったのか、との質疑に、執行部は、9月6日にどちらも払っている、との答弁。

委員より、そうすると12月議会の補正に上がったときには、この支払いはもう済んでいたということではないのか、との質疑に、執行部は、そのとおりである、との答弁。

委員より、12月前に土地代金の支払い実行しているが、その代金は、どこから捻出されてきたのか、との質疑に、執行部は、内規により500万円以下については支所決裁であり、本庁ではわからない、との答弁。

委員より、予算に上げないで、お金がないのに払っているという事か。実際にはほかに使わなければいけないお金があるにもかかわらず、このためにお金を払っているという事ではないか。それで、改めて12月に足りなくなったから補てんしたという事か、との質疑に、執行部は、そのとおりである、との答弁。

委員より、行政の中では、こういう事は常に起こり得るものなのか、との質疑に、執行部は、企画財政では、その内容が全部わかるものとわからないものがあるので、その中の執行に当たっては、原諜できちんと予算編成した中での執行をやってもらう。今回の場合においても、原諜でその辺が十分精査されているという事であれば、決裁を回すしかないが、ここまでの内容がわかっていなかったというのが現実だろうと思う、との答弁。

委員より、緊急性があるかどうかは知らないが、9月に支払いがされたのであれば、普通は6月もしくはそれに近い産業建設常任委員会のときにきちんと話をしておくべきではないか。こんな事はあり得ない。9月6日に支払いをして、12月の補正で上げているというのは、話すときがあったのではないか。9月の議会でも話ができるし、6月議会でもわかっていれば話すときがあったわけで、勝手にやっているとしか思えない。これだけの金額を出して、いまだに何にもせずに放置している理由が聞きたい。おかしいと思わないのか、との質疑に、執行部は、今回の場合は、それ以外の目的の予算はあったと思う。緊急を要するからということで、当初の目的とは違う新しくできた今回のこの事業に予算を使ったために、当初予算が足りなくなり12月に補正したという事だと思う。通常の場合、そういった緊急の場合も出てくると思うが、今回の場合どういう理由でそういうふうにしたかというのはわからない、との答弁。

委員より、12月議会で説明しているのか、との質疑に、執行部は、本会議、産業建設常任委員会では説明していない、との答弁。

委員より、地元区長の要望があったかどうか、それから緊急性があったかどうかという点について、その事実確認をしてもらいたいが、との質疑に、執行部は、要望があったかどうかについては、吉井支所のほうへ確認する。また、緊急性について、交差点の部分については、そこで1年間にどのくらい交通事故が発生しているとか、例えば人身事故であるとかというところについて検討されたかどうかについても、吉井支所へ間いてみる、との答弁。

委員より、代替地の853番の土地について、平成20年2月15日に、平成14年9月日不詳で地目変更登記宅地となっているがどういう事か。また、市は田としての売買はできないと聞いているが、なぜ市が取得しているのか、との質疑に、執行部は、農地法が関係してくるが、農地譲渡等の許可条件の中に、農地または採草放牧地の権利移動の不許可の例外という規定があり、市は農地を持てないという解釈をしている。三者契約についても、個人が農業委員会から農地取得や転用の許可をもらうべき事項であると思うが、それが、どうしてそうなったかという事については、わからない、との答弁。

委員より、普通はできないことをしているという事か、との質疑に、執行部は、契約書の中にどういう事が書かれてあるかを見ない限りは何とも言えない、との答弁。

委員より、是里の土地についてはどういうふうになっているのか、との質疑に、執行部は、単契約であり、2者の契約となっている。これも流用をして対応をしているというのが現実であり、説明もできていなかった、との答弁。

委員より、是里の上地については、今度は十分時間があると思うので、わかりやすい資料をつくってもらいたい、との意見。

委員より、警察の取訓期間、捜査期間は何月か、との質疑に、1月18日に受理をしてもらっており、およそ6ヵ月以内に検察庁へという事であるので、それまでに司法として一応の結論を出すという事であれば、7月だろうと思う。それまでにそれぞれの関係者を事情聴取して、警察なりの判断をしていくような形をとると思う、との答弁。

以上を持ちまして、赤磐市元職員及び職員の背任及び虚偽公文書作成容疑調査特別委員会の中間報告を終わります。

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