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今年の米価(相対取引)は過去最低だった2007年12月の価格をさらに1000円下回る60キロ1万3040円。前年同月比14%下落の衝撃的安値です。60キロの米を作る経費とされる1万6500円から20%も赤字となります。 政府は今年3月に「食料・農業・農村基本計画」で食糧自給率50%引き上げを決めたばかり。にも関わらず、関税撤廃の例外措置を認めない完全自由化を目指すTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の関係国と協議を開始することを閣議決定しました。TPP参加することになれば、食糧自給率は大幅に落ち込むことは明らかです。 1993年、ガット・ウルグアイラウンド農業交渉で米の市場開放 これだけ見ても我が国の農業政策は、理念のない場当たり的であることがわかります。さらに前原外相は「TPPに加盟しないことで、国内総生産の1.5%の第1次産業を守るために、残りの98.5%のかなりの部分が犠牲になっている」と言いました。自分たちで決めた農業基本計画を忘れたのでしょうか。民主党が3月に決めた食料・農業・農村基本計画では、「(1)食料の安定供給は国家のもっとも基本的な責務(2)基本的に食料農業基本政策を国家戦略とする。(3)国民全体で、農業・農村を支える。」と明記されています。逆に言えば、1.5%の国民によって、98.5%の国民が生命を支えられているということです。だから、「(2)食料農業政策は国家戦略とする」必要があるのです。 TPPの影響は農業だけにとどまりません。地方経済にとって、地域農業を支える生産基盤そのものが、崩壊の危機に直面します。農業が壊滅的な打撃を受ければ、地方経済は一挙に冷え込みます。生産資材、飼料、農業機械などの製造業、運送業など幅広い関連産業を直撃します。雇用環境が悪化するのは確実です。さらに農業・農村の持つ多面的機能も失われます。(自然災害による山林決壊、河川や海洋の浄化作用の喪失など) 来年には世界人口が70億人に達するといわれています。異常気象など今後一層の食料不足が慢性化されることは明らかです。わずか60年前、日本人の多くが食糧難を経験し、お米のありがたさを身にしみてきたことを、歴史から学ぶべきです。
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