9月議会の一般質問より
「ガソリンスタンド併設型コストコの出店による、地域密着型商業施設ガソリンスタンド経営にかかる影響回避と地域密着型中小企業に対する影響回避についての請願」
6月議会に提出された上記の請願は昨年12月議会、今回の6月議会と2度にわたって提出されましたが、2度とも否決されました。
山陽地区の岩田、河本地域の新市開発計画によって、大型商業施設コストコが誘致されるということが令和6年9月議会で発表されました。 請願の趣旨は、それによってガソリンスタンド業界をはじめ、市内多くの中小事業者、農産物販売所などが、大型店舗コストコによって太刀打ちできず、休業、廃業・倒産が避けられない危機感を訴えています。
コストコは独自のガソリンスタンドを併設します。その単価は、滋賀県東近江市のコストコでは24基のスタンドで、1リットルあたり16円も安いと言われています。コストコは会員制のシステムで、年会費(毎年)約5千円前後といわれています。その会費を払えば、買い物も、ガソリンも格安で購入できます。商品は業務用サイズで、とにかくビッグサイズなので、分け合うか、大きな冷凍庫を用意するかしないと買い物はできません。
赤磐市では「小規模企業・中小企業振興条例」ができており、条例に基づいて市内事業者を守り発展させる責任が、市にはあります。
そこで、市長に「議会は2度にわたり否決しているが、市長は市民生活を守り、不安を募らせる事業者さんへの支援、配慮が必要だが、どう考えているのか。」と質しました。市長の答弁は「地域経済の活性化、雇用の創出などプラス面がある。」しかし「交通渋滞や周辺店舗等の売り上げ減少といった影響も想定される。」「今後は、他市町村の事例も参考に、研究して対応する」と言うものでした。
「にぎわい」という言葉をよく使われますが、一部の人たちにとっての「
にぎわい」ではあってはならないと思います。
九州の湯布院という町の観光政策をつくった地域の先人たちは、1970年頃、若者を当時のヨーロッパへ見識を広めてこいと送り出し、日本ではまだ認識のなっかた欧州の滞在型リゾート施設をつくる基礎を築いたそうです。それが今の湯布院という高級ホテルと温泉を整備し、車の乗り入れを規制し、その代わり馬に馬車をひかせて移動手段としたり、高層の建物の建設を規制し、地域の自然環境を活かした街並み整備をすることで、地元の住んでいる人が主人公の観光政策を実現させたのです。
私は先人の1人の方のお話を聞く機会をえたことで、日本が今直面しているオーバーツーリズムなど、住んでいる地元の納税者につけが回ってくるような「にぎわい」は間違っていると思っています。
市長の「研究して対応する」という答弁は、なにも対策を語っていないし、どういうまちづくりをめざすのか、語っていません。