佐々木議員への「抗議文」

岡山県赤磐市議会
佐々木 雄司 議員殿

 日本と南北朝鮮との友好を進める会
代 表   三原  誠介
事務局長  森本   榮

 抗 議 文

この度佐々木議員は「拉致被害者特定失踪者の帰国を願う有志の会」・代表 佐々木玲央氏、及び「頑張れ日本全国行動委員会岡山」・代表 斎藤忠文氏からの抗議として、令和7年12月15日付の議長佐藤武文氏へ「日本と南北朝鮮との友好を進める会(以下、進める会という)」会員でもある、原田素代議員に対する抗議及び倫理審査会の開催要請がありました。「進める会」として、あまりにも無知による偏見と的外れな誹謗・中傷であり、両団体及び佐々木議員に対して厳重に抗議するものです。

  1. 無知なる理由・その1

(1)「進める会」結成の経過を知らない無知

①戦後の日本と朝鮮半島とりわけ朝鮮民主主義人民共和国(俗称「北朝鮮」であるが、以下正式略称の「共和国」という)との交流関係は、当時の社会党や総評などの労働界等限られた一部の交流でしかなく、本格的な交流運動にする為には、幅広い国民的な運動を進める必要があると意見が一致した事。

②岡山には過去1972年の日中国交正常化に、岡山県の先人達(岡崎嘉平氏、内山完造氏ら)が大きく寄与した、各政党、経済界、学者・文化人、マスコミ、労働界等で結成された日中友好協会岡山県本部の幅広い民間外交の歴史があり、この教訓を日朝交流運動に生かす事が強く求められていた事。

③共和国をまず知る為には、共和国の実態を知る必要があり、1996年に井本丈夫岡山県議会議員を団長として、県・市議会議員、経済界、文化人等18名による超党派の訪朝団が初めて訪問した。

④特に1998年の第3次訪朝団は、原 寿男・自民党県議団団長をはじめ、民主党、公明党、社民党の各代表、経済団体の各会長、マスコミ、学者・文化人、労働界等26名で構成し、岡山における各界のまさにオピニオンリーダーの訪朝団となり、その後の運動に大きな影響を与えた。

⑤このような経過を経て、1999年11月26日、自民党、民主党、公明党、社民党の各政党(共産党は2001年の第2回総会で参加)、経済界、学者・文化人、マスコミ界、労働界等幅広い構成による「日本と朝鮮との友好を進める会」が結成された。(「南北朝鮮」への名称変更は2006年、第4回総会)

(2)「進める会」の目的と運動の柱への無知

①進める会の目的と運動の柱は、明確に次のように定めている。『この会は、歴史的にも文化的にも長く深い繋がりのある隣国南北朝鮮人民に対して、過去、日本国が行った行為を正しく認識し、今後、真の友好関係を確立する行動を進める会です』とし、過去の歴史を直視する事が運動の大前提である事を確認している。

②その事を基本に具体的運動の三本柱を、(ア)日朝国交の早期正常化 (イ)朝鮮半島の自主的平和統一 (ウ)在日同胞の権利擁護・拡大(とりわけ子供達の教育問題の解決)としている。

  1. 無知なる理由・その2

(1)何故「進める会」を結成したのかへの無知

①過去の歴史を直視する勇気と近代における責任が問われている事。日本及び日本人として、過去の侵略戦争の反省の下で平和国家として再出発したにもかかわらず、「戦前回帰のいつか来た道」に逆走している最近の動向を危惧する中で、その要因はどこにあるのかを分析した。結論として、(ア)近代における過去の歴史的事実を政府として正式な見解を示してしていない事 (イ)三国同盟の友好国であったドイツは戦争責任について歴代の指導者による公式な謝罪と補償を重ねて表明しているのに対し、日本は戦争の責任を誰もとっていない事 など、曖昧な戦後処理を行った結果、冷戦構造化において、(ウ)米国の世界戦略に組み込まれ、日本が果たすべき主体的外交が発揮されていない状態が続いている事 (エ)そして何よりも「自主憲法制定」を党是とする保守政党が誕生し、過去の侵略戦争への誠のある反省が見られない事等が指摘された。とりわけ、世界で唯一、国交が樹立していない「共和国」との不幸な実態が解消することこそが、世界の平和、とりわけ北東アジアの平和と安定に欠かせない事 が準備会で確認された。

②日本と朝鮮半島の過去の歴史、とりわけ近代の歴史で看過することこそができない事として、明治維新後の富国強兵政策による「大東亜共栄圏構想」としてのアジア諸国に対する「侵略戦争」であり、その第一段階としての実質35年間にも及ぶ朝鮮半島の植民地政策にある事の再確認こそが出発点である。その事をまず認める勇気なくして運動は不可能である事が改めて認識された。

③加えて明治維新後の、知識人によるヨーロッパに追いつき追い越す為の理論的主張として「脱亜入欧」思想が戦後の日本において未だに続いており、アジア諸国、とりわけ朝鮮の人々への根強い差別意識が温存されている。それが今日の「極めて悪質なヘイトスピーチ(ヘイトクライム)」として表面化している事実から目をそらしてはいけないとの認識が確認された。

(2)世界に誇れる日本及び日本人となる為に何が問われているのかを知らない無知

①国が国民を統治する戦前の明治憲法下で推し進められた軍事体制の反省に立って戦後制定された日本国憲法は「国民が国を統治する」世界に誇れる内容であり、具体的には、(ア)平和主義 (イ)国民主権(主権在民) (ウ)基本的人権の尊重が謳われている。憲法理念を実践するため、その為の具体的な行動の一つとして「進める会」が結成された。

②とりわけ、在日の皆さんが日本に存在するに至る歴史的経緯と、朝鮮半島が南北に分断されている「遠因」が日本の植民地統治にあるとするならば、進める会の運動の三本柱を愚直に粘り強く諦めずに自信と誇りをもって推し進める事が、国籍・老若男女を問わず、一人ひとりの尊厳が保証される社会を目指す事となる。結果として、世界に誇れる日本及び日本人となるために求められる事への無知。

  1. 無知なる理由・その3(進める会の取り組みについての無知)

  • 訪朝団・訪韓団の派遣
    • 朝鮮半島の現状を把握する為に、共和国及び韓国へ訪問団を派遣し現状視察及び意見交換を行っている。とりわけ訪朝団は超党派による編成となっており、各界・各層のオピニオンリーダーによる構成となっている。特徴としては、県議会議長や自民党県議団団長なども含まれている。加えて、岡山県出身の橋本龍太郎元首相の親書なども届けており、まさに県民訪朝団となっている。
    • 岡山県民友好農場「岡山県民友好ブドウ園」の建設に際しては、石井正弘岡山県知事(当時)をはじめとした1001人の寄付金により、ブドウの苗木が寄贈されており、まさに「県民友好ブドウ園」である。
  • 講演会の開催
    • 日本と朝鮮半島とりわけ共和国との関係を理解する為に講演会を開催し、歴史的経過、問題と課題、日本の進むべき方向性などについて多角的に学習している。講師には、幅広い活動家や学者・文化人、評論家を招いて開催している。特徴的には、金丸 信氏(金丸信吾自民党副総裁の次男で秘書)、池口恵観氏(高野山真言宗大僧正の鹿児島県最福寺法主…戦時中の特攻隊員の心の拠り所としての寺院。中曽根康弘首相や野球のイチロー氏等の相談役) とりわけ、この二人については、拉致問題の解決に向けての方策等を教示してもらっており、加えて「進める会」の構成団体でもある、岡山県平和センターが、拉致被害者の蓮池 薫氏の兄である蓮池 透氏の講演会を開催する等、拉致問題の解決に向けて具体的な活動をしている事も紹介しておく。
  • 在日同胞の権利擁護・拡大(とりわけ子供達の教育問題の解決)の取り組み
    • 岡山朝鮮初中級学校(幼稚班を含む)への行政支援の取り組みは、子供達の教育環境充実の為、国の厳しい政策下においても、超党派で組織する進める会として積極的な役割を果たしている。
    • 2009年12月、岡山市12月議会で全会派一致での「倉敷市並み」の助成金の増額決定。
    • 2010年3月、倉敷市3月議会で岡山朝鮮初中級学校の「ブロック塀の改善費用の助成」について、全会派一致で工事費用の二分の一助成・800万円が決定。
    • 2022年3月、2019年からの幼保無償化適用除外状態の解消交渉から、倉敷市での「子ども・子育て支援制度」の適用決定。

※朝鮮学校を取り巻く環境は、高校無償化適用除外に象徴されるように、日本政府が政治と切り離すべき教育問題を政治的・恣意的に取り扱い、日本国憲法(14条、26条)はもとより、日本が批准している国際人権規約や人種差別撤廃条約及び子どもの権利に関する条約等の国際規約に違反する悪質な民族差別に該当しているとして、進める会が取り組んでいる。

4.拉致問題に関する取り組みについて

(1)2002年9月17日、外務省の田中 均アジア・大洋州局長の尽力によって、小泉首相が初めて訪朝し金正日総書記と日朝首脳会談を行い、国交正常化の早期実現や核・ミサイル問題の解決を図る必要性等で合意した「日朝平壌宣言」は画期的な内容であった。同時に共和国が長年否定してきた日本人の拉致を初めて認め謝罪し、生存被害者の帰国を約束したが大変なショックであった。

(2)2002年10月15日拉致被害者5名(地村保志さん・富貴恵さん、蓮池薫さん・祐木子さん、曽我ひとみさん)が帰国。

(3)2004年5月22日、小泉首相が再度訪朝し金正日国防委員長との間で、拉致問題をはじめとする日朝間の問題や、核・ミサイルといった安全保障上の問題等につき議論が行われた。拉致問題については、(ア)共和国側は蓮池さん及び地村さんのご家族計5名について同日、日本に帰国する。(イ)安否不明の拉致被害者の方々については、共和国側が直ちに真相究明のための調査を白紙の状態から再開する。この事を受けて蓮池さん及び地村さんのご家族5名が小泉首相と帰国した。また、曽我ひとみさんのご家族3名については、7月18日に帰国・来日が実現した。

(4)このような状況の中で、進める会として各種講演会や蓮池 薫氏の兄の蓮池 透氏との協議、更には石川県出身で中学生の時日本海に釣りに出て遭難して共和国に救助され、その後共和国職業総同盟の幹部になった寺越 武さん及び母親等とも情報交換などを行ってきた。

(5)このように民間外交の立場から具体的にまじめに行動を起こしている団体は、極めてまれであり、多くの団体は、共和国は悪い国であるとの思想的及び感情的な行動しか取れておらず、具体的な事態の前進には繋がっていない。

5.今回の原田素代氏及び進める会への無知による誹謗・中傷について

(1)まず貴職の抗議文の的外れの問題について

①上記述べてきたように、進める会は日本の過去の歴史を直視して今後の進むべき方向をまじめに真摯に愚直に取り組んできた団体であり、浅はかな偏見による誹謗・中傷は全く的外れだと言うことをまず指摘しておく。

(2)拉致問題についても、外交ルートを持っていない日本政府及びマスコミの報道だけの論調がどこまで信用できるのか見定める必要がある。国家間の交渉は相手の本音がどこにあるのかという冷静な判断と情報が重要であり、その為に共和国の責任者との協議が求められており、進める会は、日本における唯一の民間交流のルート・チャンネルを持っており、その為に継続して訪朝団を派遣しているのである。

(3)原田素代氏が参加した第14次訪朝団は、相手方として、今までの対外文化連絡協議会(略称・対文協)から、初めて共和国外務省日本研究所上級研究員で朝鮮外務省日本担当課長の劉成日(リュウ・ソンイル)氏との会談が持てたものであり、彼の考えがすなわち共和国の責任ある公式の考えである事の重要な意味を持つものである。民間訪朝団としてはまず考えられない待遇であった。

(4)問題なのは、その会談で拉致の問題に関して当時の日本外務省、藪中三十二、アジア・大洋州局長(後に外務省事務次官、立命館大学客員教授、現在大阪大学特任教授)が、共和国側の報告及び考えに全面的に同意したとの話を聞いた為、これは大変な事だとの思いから、帰国後すぐに藪中氏へ確認する必要があり、何回も面会を申し入れたにもかかわらず拒否されたことも明らかにしておく。

(5)貴職の抗議文での具体的問題点を指摘すると、冒頭文中にある『拉致被害者家族を深く傷つけ』とあるが、拉致被害者の蓮池 薫氏の兄の蓮池 透氏は進める会に大変感謝している事を紹介し、貴職の指摘が的外れであると言える。

(6)2ページの2の項の『原田素代市議が“拉致を正当化する側”と接触し』とあるが、共和国は正当化しておらず金正日総書記自ら認めて小泉首相に謝罪しているのであり、全くの的外れと言えよう。

(7)まだまだ事実誤認の問題点はあるものの、無知と偏見によるあまりにもレベルの低い抗議文であり、勉強の意味を含めて指摘させて頂いた。