新たな民営化「PPP/PFI」では地域経済は活性化しない

表記のカタカナ用語「PPP/PFI」とは、民間活力の活用で、地域の活性化を目指すというものです。国はこのプランを強引に進めるため、特別交付税措置、交付金、地方債活用の特例などによるインセンティブ(誘導)まで用意しています。
そのため総務省は、「管理計画の策定指針」を作り、地方自治体に資産管理の計画を作るように求めて、赤磐市でも「赤磐市公共施設等総合管理計画」を作成しています。

「策定指針」によれば、「官民連携事業推進のための地方の責務・義務」では

①PPP/PFIが民間事業者にとっても魅力的なものになるよう収益を目的とする施設の併設、公的不動産の有効活用により高い収益性が確保されるように努める。(8条)
②民間事業者にPPP/PFIについての提案を積極的に求めるよう努める(優先的検討規定11条1項)
③民間事業者からのPPP/PFIについての提案を促進するために、公的不動産の利用状況および、将来の見通しの公表その他の必要な措置を講ずる。(13条)
★解説すると
①では民間が儲かるように自治体が努力しなければなりません。
②では熊山の市民病院跡地利用の入札方法が新しい「対話型入札」と市長は言っているが、民間業者の言い分を十分聞いて、儲けてもらえる施設を決めていくことです。
③では民間業者のためにメニューを作成してあげるようにということです。
★あらゆる施策を通じて民間事業者にとって魅力的なものになるよう、高い収益性を確保することが地方公共団体の法律上の義務となりました。

民間事業者から見ると

①全国の地方自治体が「公共施設等総合管理計画」を策定することで、どこにPPP/PFIの物件があるか一目瞭然。
②公共施設に提案すれば、必ず自治体に相談に乗ってもらえる。
③優先検討が必要な物件は必ず外部コンサルタントとして委託料を見込める上、PPP/PFI が導入されたら自治体側が民間業者に高収益をもたらす配慮をしてくれる。(外部コンサルタント料は1日10万円以上の上、責任は問われない)

本来地方公共団体が保有するあらゆる公共施設の建設、維持管理及び運営等の方針決定は、その首長と議会がそれぞれの地域事情や、対象となる施設の特性、住民の意向等を慎重に勘案して十分に議論の上自主的、自律的に行うべきです。にもかかわらず、国が「PPP/PFI」手法へ誘導することは「憲法94条」で保障された地方自治体の財産管理にかんする自主性・自律性を損なうもので、「憲法92条」が保障する団体自治を形骸化するものになります。