原田そよ議会報告 2022年7月 そよかぜ第111号

豪雨災害による新たな浸水想定に真備町の経験から学ぶべきなのに・・・

平成30年7月の真備町における豪雨災害の体験から、防災と地域復興プロジェクトに取り組んでいる「川辺復興プロジェクトあるく」の代表、槇原さんから学びました。

槇原さんは「災害はきっと来る」「だけど被災者のほとんどがまさか!と思っていた。」と話し始めた。
まちの面積約3分の1が浸水、最大で5メートル38センチの深さ、住宅被害は合計5,977棟、そのうち4,646棟全壊。
赤磐市役所は2,2メートル。
ボートなどで救助された人は2,350人、川辺地区は、99%以上が全半壊、真備町内の災害死者数51人、関連死は入っていません。小学校や真備公民館、川辺分館も被災。要するに避難所が無かった。物資や支援が届きにくい。結果ほぼすべての住民が川辺地区から離れることになり、コミュニティが崩壊した。
こういうお話が、被災した1人1人のインタビューの映像を交えて、生々しく伝わってきました。亡くなったお年寄りは、2階があるのに1階で死んでいた人が何人もいたそうです。あっという間に水は上がり、脚の不自由な人は階段を上がることができなかったようです。
赤磐市の新たな浸水想定は最大6,3メートル、市役所でも2,2メートル。市長はこの新たな浸水想定を1年間、議会に報告しなかった。その理由を尋ねたら「いたずらに市民を怖がらせるべきでない、避難が現実的でない」と答弁。
赤磐市民は真備町での貴重な体験をどう生かすのか、残念ながら市長は最大被害を想定した避難計画は作らないと言っています。
市長は「イタズラに市民をこわがらせない、避難は現実的でない」と思い込んでいますが、槇原さんは「災害はきっと来る」という経験値からの確信とのギャップは深刻です。
未だに市長の災害に対する認識がここまで頑なだと、赤磐市民は公助(市の対策)をあてにできない。近所の人同士の助け合い、災害弱者への声かけ、避難所の予めの準備など自助、共助で乗り切る覚悟が必要です。
市役所が500万円で製作したハザードマップに2,2メートル、6,3メートルの数字はでてきません。
索引に色別の浸水メートルが塗られているだけです。市長は情報を隠していた時点で、市役所は30㎝の浸水だと言っていました。30㎝になるとドアは開かず、ものが浮いて歩けません。それが2,2メートルだったら、想像してみてください。

最後に槇原さんが強調されたこと

避難時の情報、決壊の情報がちゃんと伝わらなかった。緊急ラジオ、エリアメール、防災無線など役に立たなかった。他の地区の知り合いが教えてくれた。「逃げよう」この一言で逃げた。要するに防災無線やラジオの情報は聞き流すのです。「逃げよう」と言われないと逃げれないんだと言うことを強調していました。机上のコンピューターのシュミレーションが正確であっても「逃げろ」という声かけがなければ住民は逃げません、この一言は胸に響きました。